笹ヶ峰ルートから

焼 山



  登頂日 9月12日(金) 天気 晴
   登頂者 私等夫婦

   今回のコースタイム

    笹ヶ峰登山口5:50-金山谷6:48-裏金山谷7:17-地獄谷7:35-途中休憩(35分)-10:42富士見峠10:45
      -笹倉分岐10:55-11:00泊岩11:15-12:30
頂上13:20-登山口17:35 

   




  笹ヶ峰火打山登山駐車場で前泊
   焼山の山容の素晴らしさをもう一度眺めたい気持ちと、笹ヶ峰ルートを登り、ルートの安全度を確認したい気持ちが
    強く、連休長野の山に向かう前日は晴天であり、火打山駐車場にて車中で前泊をし、12日に焼山を目指しました。

    平日だが、それでも十数台の車が止まっている。百名山である火打山・妙高山登山の人気は根強いと思った。
    夜は、寝袋は温かく不要と毛布にくるまって眠ったが、夜中はやはり冷えて、敷いていた毛布を更に上に掛けた。

   
ハプニングの出発!
    朝5時に用意したおにぎりにインスタントラーメンを煮て朝食とし、凡そ15分先の杉野沢橋袂の焼山登山口に
    車を走らせる。

    すると長野ナンバーの車が1台があった。おや?先客がいたなと思うと未知の登山道なので少し安堵して5:50分
    少しゆっくりし過ぎたと思いながら出発する。

    歩き始めダムを越えてしばらく歩くと女房が 「あっ、地図を忘れた」 と言って引き換えし、地図を車から持って来る。
    焼山登山は、体調不良を含めハプニングは幾つかあったが、出発してから、6時間40分で頂上に辿り着いた。

  ハプニングは続くものだ!
   ハプニングは、地図を取りに戻ったのは良しとして、滝沢の高巻きの急登を終えると、私が吐き気を模様して、少し
    ゲロった。

    天気は快晴、気温は、肌を刺すように涼しいので登山のコンディションとしては最高なのだが、体の切れが今一だ。
    歩いたばかりでゲロとは・・・まだ先が長いので、ペースを上げないで心して歩く。

    しばらく歩くと、金山谷の手前で女房が具合が悪いと言い出す。同じくゲロと下痢状態、私は金山谷に降りて待つ。
    大丈夫と言う事で金山谷で口を濯ぎ、急登の谷のピーク越えを草を分けて登り、比較的平らなブナの林を歩く。

    何で今までこんな事は初めてだ。二人で同じ現象とはと考えると、今朝食べたインスタントラーメンが合わなかった
    としか考えられない。

   
気を引き締めて歩く!
    この間、ヌケドや一部崩落で危ない箇所や滑りやすい急坂も一部あるので、私が先になりゆっくりと歩き進む。
    しばらく歩くと木間から焼山の姿が見えた。カメラのシャッターを切り進む。裏金山谷に差し掛かる。

    はて?ルートは?と見渡すと、左側に赤テープが見えたのでその沢沿いを登る。しばらくテープに沿って歩くと先の
    方に人影が見えたので、下山者が居ると思いながら前進する。

    沢を歩き、テープを頼りに進むと、目の前に男性が現れた。沢から降りて来て上に行ったが道が分からないと言う。
    彼は今日先に登った長野ナンバーの人であった。

    出発時間は、私らより1時間早く出たと言う。彼は7月に同じコースを登り、道に迷いながら登り、富士見平手前で
    時間が無いので断念して下山したと言う。、この辺はその頃残雪があってテープもあったので先には行けたのだが、
    と話された。

    振り向くと女房が苦しそうにまたゲロッていた。「まぁー大丈夫だろう」 と思いながら、道を確認する事が先と、周辺を
    見渡した。

   
しっかり道を間違えないように!
    幸か不幸か長野の人が間違って降りて来てくれたので助かったのだろう。向こうの岸辺の木陰に赤いテープが見えた。
    そっちに進むとしっかりした登山道あった。

    その赤テープが良く見えるように、小枝を折って遠くからも確認しやすくして歩き出す。長野の人もさらにテープを追加し
    登山道も歩きやすい状態である。沢歩きは地獄谷で終了した。

    時計を見たら8時5分前であったので適当に休みやすい所で、空っぽの腹に食料を詰めながら休憩をする。
    長野の人も立止り、金山谷で熊に会わなかったですかと聞かれたが、彼が金山谷に休んでいると、熊が谷の上50m
    ほどの所から降りて来たので鈴を鳴らしたら、尾根に上がっていったとのことである。

   
刈り払いに感謝しながら登る
    7月は、殆ど登山道は草刈りされていなくて大変、道を2回間違えて時間を費やしたと話され、今回は草が刈られ楽に
    歩けたと話された。用心のために沢筋を歩くので用意した笛を取り出し、少し藪が深くなると笛を鳴らしながら歩いた。

    私等も、草刈がされて分かり易い道になっていると思って歩いて来たが、笹倉側からの登山j道のように標識があれば
    ポイントもしっかり認識出来て、分かり易いのだが思った。それを求める前に私等はもっと地図と現地の確認作業が
    必要である。

    大きな目安のポイントは地図と現場で確認するしかない。よって、私らが歩いた所で、裏金山谷〜地獄谷までのポイント
    とルートを帰りに地図上で確認をし、さらに家に帰ってから、ガイドブックを繰り返し読んで見たが、一致をしない。

    よって、この間の記憶は、テープを頼って歩いたので、本ルートは別なのかな?と今でも思案している。
    結果として、道に迷うことなく進めたのだからOKとしたいが、気持ちの中では今でもすっきりしていない。

   
小さな沢の水場を最後に登りが始まる
    休憩を約35分取り、歩き始めると15分程で小沢に出た。ここで水を飲む。水場はここが最後だ、小沢の右上からは
    伏流水の水が流れていた。

    ここを過ぎると、地図にある本格的登りのはじまりである、緩やかな九十九折となり、トラバースとなり、眺望も所々あり、
    まだ先もあり、体調も今一なので焦らずにと心がけて登る。

    途中急登箇所もあるが、当初思ったほどの辛さではなかった。と言う事は覚悟した程ではなかったのであろう。
    しかし、途中二回道をはずしておかしいと思って引き返した。さほど進んだわけではないが、引き返し、テープを探し、
    刈られている道を歩いた。

  
 間違う場所は二箇所とも直進から左折方向で前を見て登るのが当たり前であるが、左折ヶ所を確認し難い事も
   念頭に置くべきとの反省である。


    今回私等は、分かり難い所は草を払うつもりで鎌を持参したので、引き返して間違いやすい場所の草を払い、次のテープ
    が見やすいようにと周辺の枝を折ったりして登った。よってこれらの箇所は、地獄谷の通過ヶ所を含めて分かり易いように
    手を加えながら登った。

    ジグザグ急登を終えて富士見峠のトラバースに登る所から、金山や金山からの稜線も近くなる。右には魅力的な焼山の
    姿が私等を待っているかのように聳えている。

   
富士見峠に到着!
    10時42分、富士見峠到着する。思ったより時間を要したが、諸般の出来事での登りを考えれば気にする時間ではない。
    昨年金山からの焼山を試み藪で断念したが、金山方面の道は刈られていたので少し歩いてその方向を覗くと、ルートは
    刈られているように見えたが、その先まで確認していないので何ともいえない。

    しかし、富士見峠まで藪払いがされていたので、心配したほど悪戦苦闘はなく登れた事に、関係者に感謝をしたい。
    後は、富士見峠を下れば、7月に笹倉口から焼山に登っているので、基本的に登山道の様子を知っているので何ら心配
    は無い。

    昔、富山から善光寺に抜ける近道として利用されたと言う富士見峠越えのこのルートは、大事な道であったのだろう。
    ここに茶屋があったのも眺望も良いので一休みをして、峠越えをする場所としては最適である事はうなずける。

    次の笹倉登山口の分岐まで、背丈以上の藪道を一部歩くが、下の道ははっきりしているので何ら問題は無く、下りながら
    分岐に着く事が出来る。

    分岐から5分で泊岩に到着。ここから1時間で焼山山頂とガイドブックにはあり、先回は私等も1時間で頂上に着く事が
    出来たが、今回は、ここまで5時間10分を要しているので、先回のタイムは参考にならない。

   
岩泊を過ぎると感動の景色が見れる
    泊岩で15分休憩を取り、少し腹ごしらえをして最後の登りの焼山を目指して出発をする。歩き出して15分すると念願の
    焼山の山容の一部が頭上に現れて来た。

    振り返ると金山、雨飾り、海谷山塊、遠くに白馬はじめ立山連峰が見える。青空をバックに焼山の姿が見えてくる感動の
    ひと時である。

    登りも急であるが、時々一息入れシャッターを何回も何回も切りながら、そして眺めながら一歩一歩登る!
    焼山登山の醍醐味がここにある!アーチ状の左右に大きな岩、そしてそのアーチ状の稜線に着くと、噴火の後と頂上の
    大きな迫力ある岩が聳えている。形状こそ違うが、上高地の焼岳とその形態は同じである。

    あちこちに秋のキキョウが咲き、ようこそと私等を迎えてくれているように思えた。
    稜線に到着する。ここからの焼山の素晴らしい山容は、火打山ルートから見ることが出来ない。やはり、笹倉か笹ヶ峰
    ルートから登なければ見ることが出来ない姿と景観である。

   
岩稜を超え、頂上に立った感動と山容の素晴らしさは格別!
    後は、ルート正面の切り立った岩場を登るが、先回経験しているので、侮らず一歩一歩登れば、頂上直前である。
    その岩稜は、ロープが新しく変わっているように思えた。古い鎖も頼りにさせてもらって登り、先回登った気持ちの余裕
    もあり、周辺を見渡し、景観をカメラに収めながら山頂に向かう。

    山頂の稜線に上がると、先回はガスの中であった火打山と妙高山がはっきり目の前に見えてきた。
    再び憧れとしていた焼山に登る事が出来た感動をかみ締めながら、焼山の頂上に12時30分に到着した。

    30分くらいで、日も短くなったので降りようと話していたが、そんな訳には行かない。長野の人も私等の後丁度30分後
    くらいに登って来た。ザックは泊岩に置いて水一本持参で登って来られた。

    彼も再チャレンジで焼山を登れた事を喜んでいた。最悪泊岩に泊っても今回は頂上迄はと思って登ったそうである。
    泊らないで彼も下山するとの事。

   
感動の焼山を下山
    彼は、足はゆっくりのようだが、百名山を完登していることでかなりベテランのようであり、お先にどうぞ私はゆっくりという
    言葉に甘えて、30分の予定であったが、20分超過の13時20分に焼山を下山する。

    下山時が、暗くならないようにと思いながらも、登りで味わえなかった景色を眺めながら焼山を後にする。
    下山時は、もう一度地図を見てポイントを確認しながら下山をするが、、地獄谷から裏金山谷のルートのイメージが、
    繰り返すがガイドブックと違うので、又現地を確かめたいと言う気持ちが残る。

    と、言う事は、出来れば一人でも沢山の人から焼山の素晴らしい山容を、道に迷うことなく登って欲しいという私の願望が
    根底にある。

    この二日後、たまたま上高地の焼岳を登る機会があったが、僅か2時間少々で登れる焼岳なので沢山の人が登っている。
    焼山は、焼岳ほど簡単に登れないので、焼岳にも劣らない山容を持つ焼山の山頂は、ひっそりとしている。
    冷静に考えれば便の悪い奥深い山があってこそ、さらにその山の良さがあるのだろうと、勝手に思っている。

   
冷静に考えるとこのコースの焼山は侮れない
    登りは体調不良もあったが、大きく道に迷うことがなく、時間もかかったが、飯豊と比べるとさほどきついと思わず山頂に
    立つ事が出来た。しかし、下山の道を歩きながら、やはり簡単な山ではないと思った。

    今年このコースを登る人は、私等の二の舞にならないようにと、迷った所の手入れをしたので同じ轍を踏む人は少ないので
    はと思っている。

    少しでもと持参した鎌で邪魔になる草を払い特に間違いやすい箇所は念をりれ草を払い枝も折った。
    来年は、また草が生え、雪の具合によってコースの赤テープがどのようになっているかは未知数であるが・・・

    下山し、登山口の笹ヶ峰に着いたのは丁度5時35分、4時間15分を要した。
     しかし、登山はタイムではなく、如何に安全に目的の山に有意義に登り、帰るかがあるべきの登山と私は思っている。

   
山は侮らず慎重に楽しく!
    私の山登りとレポートは、慎重過ぎるかもしれないが、焼山を目指して登る人が、スムースに安全に登る事を願う気持ちで
    あることをご理解頂き、私のこのレポートが参考の一助になれば幸いであります。

    このレポートと画像を参考に、後はガイドブックをしっかり読んで安全快適な焼山登山を目指して下さい。


 


格段とも左から右→に読み進んでください
笹ヶ峰、杉野沢橋袂の登山口5時50分出発 すぐに砂防ダムが左堰堤を越えて進む しばらく平らな湿気地の潅木の中を歩く
10分ほど歩くと川沿の小高いピークを越える 左川沿いを歩き滝沢の急登・高巻をする 高巻を終えると平坦になり、ヌケドを慎重に進む
岩状の金山谷を渡る 裏金山谷に近づくと焼山が見える 裏金山谷、左に入り次の地獄谷へ
地獄谷、この大きな石の先、正面が登山道 最後の水場小沢、ここで水を補給
ここから本格的な登りが始まる
トラバースで見晴らしも出て来た
金山からの稜線も見え始める この辺からさらに急登が始まる 左ヶ所はコケモモの群生地でもあった
金山と高妻山かな? 藪から一時開放され、この先を登り途中から左に 地図上のジグザクを終えて登りの尾根の
斜面はお花畑、キンコウカとハクサフーロウが
お花畑をアップしました 右に焼山が見えてきました 富士見峠はこのピークの先です
富士見峠分岐の標識です 富士見峠から金山への稜線です 熊の糞がありました
焼山・笹倉・富士見峠の分岐です
先回7月は雪の下でした
泊岩の避難小屋の中、大分荒れています 泊岩から約15分で展望が開け
海谷山塊が眼下に
焼山の岩稜が頭上に見えてきました 金山とその稜線です 焼山の上近くは草紅葉も始まりました
噴火して出た岩です 左の岩アップです 右の岩アップです
上の岩を過ぎてこれから越える岩稜です 振り返ると雨飾山です 越える岩稜が迫って来ました
稜線に出て下に見える噴火口です 仕度を整えます さぁー!登ります
新しいロープと古い鎖が下がっています 岩稜を越えると山頂が良く見えます 右に金山と雨飾山です
山頂付近の噴火跡の岩肌です 山頂を見上げました 岩稜を越えて左斜面はキキョウが群生
していましたが、先回はシオガマの群落でした
最後の頂上ピークを登ります 稜線に出ると火打山と妙高山が目の前です 頂上までの道です
もうすぐ頂上に着きます 頂上で二人の記念写真です 頑張りました
二等三角点です 私も一枚 焼山最高点です
焼山頂上稜線から火打山です 火打山と妙高山です 火打山への登りはきつそうです
焼山頂上の稜線です 頂上と登って来た方向です 噴火口の一部、今日は噴煙はありませんでした
山頂の稜線その先の稜線は次の画像です 噴煙が上がる頂上左画像続きの稜線です 下山時岩稜の合間から高妻山?
岩稜を下ります 綺麗なキキョウが沢山ありました 富士見峠下からの焼山です
地獄谷を渡ります 裏金山谷に来ました 5時35分、笹ヶ峰登山口に無事着きました


7/27・焼山笹倉口