沼尻コース
安達太良山


ガスの為、鉄山避難小屋で引き返す



     登頂日 2009年10月9日(金) 天気  曇・後一時雨
     登頂者 私等夫婦
      
今回のコースタイム
      登山口発・8:35−旧沼ノ平分岐・9:17−胎内くぐり・9:58−シャクナゲの塔・10:30−鉄山避難小屋着・10:35
       鉄山避難小屋発・11:15−胎内くぐり・11:40−旧沼ノ平分岐・12:22−湯花取分岐・12:41−尾根分岐。12:58
       −滝見展望台・
13:19−登山口着・13:27
      

   10月9日(金)、台風18号が日本列島を縦断した翌日は台風一過、福島地方の天気予報は晴れ?
   5日前に歩いた和尚山経由の安達太良山の紅葉と雄大なお釜コースの魅力に引かれ、沼尻コースから
   一周する安達太良山を目指した。

   磐越自動車道を走り福島県に入るが空模様は芳しくない。沼尻コースの駐車場に8時に到着するがガス
   が強いので車の中で待機する。

   暫らくすると車が一台到着し、神奈川県から来たという若者3人が仕度を始めた。
   私等も車から降りて仕度を整え出発する事とした。

   私等は、温泉が引かれている沢筋コースを歩き出す。
   若者も私等と同じコースを歩く予定であったようで、軽快な足取りで私らを追い越し先を歩いて登る。

   途中白糸の滝が見えてきたが、晴れていたら素晴らしいのにと思いながら、温泉の大きなヒューム管が
   引かれた登山道を歩く。

   所々道が抜けて木が渡された道を歩く。
   ようやく小屋が出て源泉を思われる沢を右に折れる道に出たが、若者はそっちの方へ向かった。
   上の方から「お〜い、そっちかね」と声を掛けて、私等は真っ直ぐの登山道を進んだ。

   沼ノ平の旧分岐(今は通行禁止)に出るが、後から若者の姿は見えないので、下の分岐から船明神経由
   で頂上を目指したものと思った。

   ガスは依然として強く、岩に印されたペンキマークを確認しながら前に進んだ。
   途中、岩陰で風を避けて水と食料を補給休憩をする。

   休憩前から気のせいか少し頭に痛みを感じていた。
   まさか有毒ガスのせいではなかろうと思いながら沢から吹き上げる風から少しでも遠避かろうと前を急ぐ。

   胎内くぐりにさしかかり、大きな割れ目の岩に上がると小さな穴をくぐるのにザックを降ろして通り抜けた。
   成る程、胎内くぐりであり、くぐり終わり上に出ると樹林帯も終り一層風が強くなって来た。

   ガスが薄くなると一瞬に見える紅葉は素晴らしいが、残念ながら一瞬でしかも一部しか見る事が出来ない。
   風とガスが強くなる。

   進む道はここでもペンキマークと登山道を確認しながら前進する。
   晴れていたらこの辺の眺めも素晴らしいと思うが、見通しの効かない山は残念ながらつまらない。

   歩くと体が軽く感じる。気圧のせいか寒さで体感温度が下がり気味でもあるかも知れないと思いながら歩く。
   途中ハエマツの陰で風を凌ぎながら、ヤッケを着込んで防寒対策をする。

   私の手先は気温が下がると血液の循環が悪くなり白く冷たくなるので、比較的平坦な道なので指先を体で
   温めながら歩いた。

   いずれにしても鉄山避難小屋が近いので、小屋に着いたら前後の判断をしようと思いながら歩くと先に薄く
   見えてきたのがシャクナゲの塔に到着した。
   シャクナゲの塔でシャッターを切り休まず前進すると前方に避難小屋が見えてきた。

   小屋の周辺はガスに囲まれ何も見えない。小屋のドアは下の支えが壊れて風でバタン、バタンと音を立て
   ていたが、ドアを横に引いて中に入った。

   当然誰も居ないが、広くてしっかりした小屋であるが、昨日の台風で雨が吹き付けたのであろうか、一部水
   で床が濡れていた。
   

   小屋の中の温度は6度であり、思った以上に温度が低く、外はガスと風であるから相当な寒さの中歩いて
   来た事が伺える。

   持参したフリースを出して雨具の下に重ね着をして寒さを凌ぎ、早速お湯を沸かし持参のインスタント豚汁
   で体を温め食事を取る。

   この先、鉄山・船明神山経由で沼尻の登山口を目指すに、強いガスと風の中を歩くのは無謀と判断し、引
   き返す事とした。

   40分の避難小屋での昼食休憩を終えて11時15分、手袋は、真冬用の厚い手袋に取替えしっかり防寒を
   して、避難小屋を後に下山を開始する。

   下山時の展望も諦めていたが、胎内潜りの近くに来ると下が見え始めて来た。
   早速ザックにしまったカメラを取り出してシャッターを切る。

   体がよろける強風が時折吹きつける。
   胎内くぐりを背で這うようにしてくぐり、下に降りると風が弱まって来た。
   弱まったというより稜線を降りたからであり、上は相変わらずの強い風が吹きつけているのであろう。

   幸い雲の下のようで下界も見え始めてきた。
   願わくば途中の岩やその周辺の紅葉も見れればと思っていたが、その条件は満たされシャッターを切りな
   がら下山する。

   諦めていた景色を見れて、風も収まりカメラのシャッターを切る回数が各段に増える。
   温かくなったので、カッパとフリースを脱いで歩く、下から一人の男性が登って来た。
   埼玉県から来たとの事、三脚を担いでいたので、紅葉の安達太良山の撮影を目指して登頂のようである。

   上はガスと強い風で小屋の室温も6度である事を話す。
   無理をしないで出来れば引き返した方が無難と心の中では思ったが、彼はクロガネ小屋に泊るので時間
   は充分と言われ登って行った。

   山ではベテランの方とは分からずに余計なおせっかいをする事もあるが、山の情報は大切と常に思い言葉
   をかけるが、判断はその情報により技量と経験に基ずき、その人、その人であると思っている。
   私は山には臆病で慎重であるが、それでも危険に遭う事が今でもある。

   一時天気も回復に向かうと思ったが、晴れ始めたガスも再度低くなり、湯小屋の分岐を過ぎる頃、ガスは
   さらに下がり始めた。

   湯の花分岐の沢筋から急な尾根登りとなるが、シャッターを切りながら20分足らずで尾根分岐に着いた。
   素晴らしい紅葉が見れたので満足しながら、時々白糸の滝を見下ろしながら登山口に到着する。

   しばらくすると登山道を一人降りて来た人がいた。登られた様子を聞くと、お釜の付近まで登ったがガスで
   一寸先が見えない状態なので、山で命を落としたくないので引き返し下山したと言われた。

   3人の若者の動向を聞いたが、会わなかったと言われたので、若者は先に登り頂上を目指したと思った。
   若者は、初めての安達太良山とコースではないにしても気がかりであった。
   登山口に着くとガスから雨となり、山頂付近は冬並みの寒さに変化していると思い無事の下山を祈った。

   私等は、天気予報が外れて引き返したにしても、下山時に一部周辺の紅葉を眺める事が出来た事は幸い
   であった。
   帰り道は、五色沼、桧原湖経由で車で走ったが、周辺の紅葉の状況は不思議ともう少しとの感であった。

   帰路、喜多方ラーメンを食べに店に入ると青空も出始め、山と平地での気候と気温の変動の大きさをあら
   ためて認識をしながら、またの機会に安達太良山を訪ねようと思いながら家路に着いた。





地図上の点線コースを進むと白糸の滝が前方に見える 晴れていたら周辺の紅葉と合せてもっとよい眺めなのだろうが
温泉の太いヒューム管が延々と続く 湯の花採取場分岐付近で 相当の湯花も出ている
なめ滝のように流れる沢筋右にしてを歩く ガスの中広い沢筋をペンキマークを頼りに進む
平成9年登山者4人がガスで死亡、立ち入り禁止の沼の平分岐 大きな岩を右にして左方向に登る
ガスの中の紅葉も素晴らしい V字に切れた胎内岩が前方に見える
胎内くぐりの胎内岩 胎内岩を立てに撮る
奥に小さな出口が 小さな穴を潜り上からの胎内岩
胎内岩を越えるとハエマツ帯に 切り立った岩の紅葉 晴れたら絶景!
岩壁の淵を歩く シャクナゲの塔に
鉄山避難小屋が見えてきた 鉄山避難小屋での昼食休憩を終えて下山、胎内岩を過ぎると
ガスが薄くなり周辺の景色も見え始めた ガスの上がった紅葉を見ながら下山
紅葉の中の登山道を下山 変化する山肌と紅葉
紅葉する山肌と岩肌の登山道をトラバース
登りはガスの中だったが下りは幸いにもガスが上がった こんな紅葉も見ることが出来た
ガスで見えなかった岩山を振り返る
分岐の周辺の様子も見ることが出来た
石を積み重ねた、ロックフェル式砂防ダム?があった 紅葉と茶肌の登山道を歩く
夏場は水浴びが出来そうな沢だ 岩状の沢筋を歩く
湯の花採取場周辺の風景
湯の花採取場の風景
湯の花採取場の風景
湯の花採取場を登り分岐近くから錦の紅葉
分岐からの紅葉
山肌の紅葉を眺める 尾根を歩きながら白糸の滝を見下ろす
滝見展望台よりの白糸の滝 13:27分、登山口に


今回のコースタイムは鉄山避難小屋迄
登り 2時間、下り 2時間12分であった


安達太良山コース等に詳しいHP
参考にして下さい