守門岳
 (袴岳)

 1537.2m


登頂日 2014年7月2日(水) 天気 晴 登頂者 私等夫婦 

タイム 登り3時間25分、下り 2時間43分



  守門岳(すもんだけ)は、西側より、大岳、青雲岳(あおくもだけ)、袴岳の三つのピークで構成され、総称して守門岳と呼んでいる。
  最高峰は袴岳の1537,2mで一般的に守門岳と呼ばれ、豪雪地で3ピーク稜線沿いに張り出す大雪庇は東洋一と言われている。

  今年の3月は、何かと忙しくさらに4月始めに腰痛となり雪庇を眺めに残雪の大岳には登る事が出来なかった。

  登山口は一般的に保久礼(ほきゅれい)二口(ふたくち)と大白川コースがあるが、入塩川コースに加え、三条・吉ヶ平から網張山
  からのコースもある。

  旧入広瀬村からの田小屋コースもあるが、登山道崩落の為通行止めと表示されていた。

  中津又岳に上がるコースもあるようだが、私はこのコースを歩いた事はないのでその状況は解らない。

  また、以前は吉ヶ平から大岳と青雲の鞍部に出るコースもあったが、現在は廃道となっている。

  近年私は、残雪期以外は大白川・大原スキー場コースが好きで痩せ尾根は雪が消え一ノ芝から三ノ芝迄残雪のある6月頃に登る。

  加えてこのコースは、沢の手前迄は急登痩せ尾根でしかも岩状の登山道で変化があり、痩せ尾根の稜線から守門岳を仰ぎ見て登
  る醍醐味がある。

  このコースは、私等(障碍者)はもう登れないコースとしていたが、今回慎重にも慎重にそしてゆっくりを心掛け再度登頂を試みた。



7月に入ると太陽の陽射しも強くなり梅雨時期で湿度も高く登る時間は
早朝がベターであるが、登頂開始時刻は8時10分となる。

緩やかな蕨園を通り、登りになると今日も体が重く足が前に出難い状態・・・
昨日梨の袋掛け作業で8時から午後6時迄頑張った疲れが残っているようだ。

いずれにしても今日はゆっくり、しかも歩き出すといきなり急登コースなので、
ブナ林の急登をゆっくりと稜線を目指した。、

稜線に出ると守門岳東側の稜線が見えてくる。





稜線に出て一呼吸を入れ直登状態の痩せ尾根を登り頂上を目指す。




私等はこのコース最大の難所と思っていた岩場、
蟹の横這い状態で通過するヶ所(下画像左)に来た。

状態を見ると岩の下が歩き易くなっていた。
雪と雨で岩が落ち歩き易い状態となり最難所は難所に変化していた。

慎重に通過し、さらに岩状で直角近い登山道を足掛かりを確かめ進む・・・
視覚障害のかよこは私の進む足掛かりを見極めて登る。

危険な所は、私の足掛かりと足元が確認出来るようにゆっくり登る。

これを繰り返しながらゆっくり、ゆっくりと進む・・・
(健常者であった時は楽しくぐんぐん登れたコースである)




何時もの眺めの良いピークに着き休憩をする。

暑いのでもう少し先の日陰で休もうと思ったらここで好いと言う。

暑さで大分疲れているようで動きたくない様子なので、
陽の当たるピークより木陰でしっかり休んだ方がと
ザックを持ってやり少し上の木陰に移動し休憩を取る。

私は汗かきなので何時もタオルの鉢巻が私の山スタイル、
その鉢巻を絞ると汗がどっと滴り落ちた。

気が付かなかったけど、湿度も高く太陽の暑さが加わり、
予想以上の汗で暑さも加わり疲労が増すのは当たり前である。

「今日のコースはゆっくり無理をしない」前提の登山。

食料と水を補給し体調を整え、無理であればここで下山と考え様子を見る。

木陰で涼風に吹かれると体調も回復し、頂上を目指す気力も出て来た。

再度注意の岩場だが、比較的足掛けも分かり易いのでかよこが先に登る。

本人も何回かこのコースを登っているが、健常者の時は楽しい登りだけど、
現在は、間違いを起こさないよう慎重に一歩一歩足場を確保して登る。




この岩場を過ぎると概ね岩状の登山道から沢を渡り越え、
三ノ芝、二のノ芝と緩やかな登りとなる。

沢に差し掛かると、もう消えたかと思った残雪が残っていた。

残雪を踏み越えて沢から三ノ芝に上がると
ここにも残雪で周辺の草木はようやく春を迎えていた。




田小屋登山道は崩落の為通行止めと記されていた。

春の花を観賞しながら進む・・・




目の前にまだ多くの残雪が見えて来た。

6月の初旬〜中旬は大きな雪原でこの雪原も魅力のコース、
思いがけなく予想以上の残雪で嬉しくなった。

残雪から流れ出る冷たい雪解け水をコップですくって喉を潤す。

残雪は堅いので、滑り落ちないようにキックステップで
足掛かりを付けて歩き易いヶ所を目標に小さな雪原の肩に上がる。

初夏の残雪を楽しみながら雪の消えた夏道を目指して進む・・・




残雪を歩き、左奥の夏道に出て歩き出すとイワカガミが咲いていた。




このコース唯一の長く平たい雪が消えたばかりの登山道(二ノ芝)を歩くと
やがて視界が広がり、守門岳が正面に見えて来る。




ここからの登山道も歩き易いとは言えず稜線の下で
傾斜した状態の登山道で滑らないように注意が必要だ。

健常時(者)はまったく気にはならない登山道だけど・・・

朝は守門岳の上は青空であったが、雲が多くなり時折ガスが掛る。

素敵な光景にスケッチをというので急ぐ山旅でないので
スケッチタイムとし、私も腰を降ろし未だ使いきれないGPSを眺める。

登山道にはあちこちに春の花が咲き目を楽しませてくれる。








頂上が近くなった。




アザミにニッコウキスゲが出迎えてくれる。




頂上近くになると危険個所はなくなるのでかよこが先になり頂上を目指す・・・

不安を抱えながら挑んだ守門岳大白川コース、
無理と思っていたコースを歩けた喜びをかみしめて頂上に・・・




山頂で記念写真を撮り、ゆっくりのお昼とした。

新潟からという男性が二分登山口から単独で頂上は三人。

守門岳北側はガスで見えないが、
青雲岳を見下ろしズームアップすると青雲岳の休憩場所に
休んでいるふたりの姿が見えた。




頂上で45分程お昼休憩をしたので下山する。


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