花を訪ねて
鳥海山
2,236m




      登頂日 2009年7月5日(日) 天気 曇
      登頂者 私等夫婦  登頂コース 鉾立コース

       この日のコースタイム
          
登山口発8:11−展望台8:18−賽の河原9:12−御濱9:41−八丁坂下り10:12−千蛇谷・外輪山分岐10:45
          −11:59頂上神社12:00−
頂上着12:20

          
頂上発12:42−神社12:05−13:30千蛇谷13:40−八丁坂鞍部14;25−14:50御濱14:55−賽の河原15:20
          −16:05見晴台16:09−
登山口着16:15






   18年前、平成3年7月28日、加茂市民登山が鳥海山であった。それ以来の鳥海山登山である。
   その時、キャラバンシューズを新調して山を登り、今、思い起こすと実質に私等の登山再開が鳥海山登山が
   新たな出発であった。

   この頃は、百名山の存在を知らずに山を登っていたが、結果として鳥海山は、富士山に次いで私等夫婦で
   登った日本百名山、ニ坐目の山であった。

   その時の鳥海山は、神社の御室に大勢で泊まり、窮屈な思いで良く眠れなかった事、神社前の急登がつら
   かった事、翌日は強いガスと強風の中、頂上まで登ったが視界ゼロの記憶が残っているだけであった。

   日本海に裾野を延ばし、遠くから見るとゆったりとし雄大な姿を見せる鳥海山は、再度登ってみたい山のひ
   とつとなっていた。

   東北にはまだまだ登りたい山は沢山あるが、今回は、百名山でもあり、日本一と言われる岩手山のコマクサ
   を見たいという願望が以前からあり、今回の鳥海山と岩手山の登頂計画となった。

   どちらも晴れるに越した事は無いが、出来れば鳥海山は青空を望み、岩手山はコマクサが目的なので少々
   ガスでも構わないと思いながら、天候を優先して鳥海山を先に登る事にした。

   思いは、思い通りにには行かず鳥海山はガス、岩手山は晴れとなり願望とは逆になってしまったが、雨に
   降られないだけでも良いと思った。

   午前2時30分自宅を出発。途中眠たくなり山形に入って海岸の駐車場で30分程仮眠をして鳥海山・道の駅
   に停車し進入道路を確認して登山口を目指した。

   鉾立登山口駐車場にはかなりの車が駐車していた。流石鳥海山も百名山で花の時期ではと思い、仕度を
   整え、予定した7時30分の登山開始を遅れ、8時11分に駐車場を出発する。

   花の鳥海山と聞いていたが、歩いている所々に花があり、カメラのシャターを切りながら歩く。
   1時間ほどで賽の河原に着くはずと雪渓を歩き、時計を見ながらそろそろではと思うと前方にうろうろしている
   人が居た。私等も周辺を見ると雪渓の下に人の姿が見えたのでそこが賽の河原かと雪渓を下る。

   その前に前方を歩く人に、方向はこっちの方ではと声を掛けて下る。賽の河原に降りると標識があった。
   賽の河原から緩い登りになり、雪渓を踏み石畳と周辺は竹笹の登山道となり、御浜近くなるとチングルマの
   花が姿を現し始めた。花に出会うと気持ちも和ませてくれる。

   御浜の小屋から湖「鳥の海」が見えるのだが、ガスでまったく見えない。風も強くなり半袖では寒くて防寒の
   長袖を着込み風を避けて食料を少し腹に入れる。晴を信じて前進する。

   この先に進む人はまばらであった。少々今日は大丈夫かな?と不安もよぎったが、天気予報を信じてガスで
   先の見通しが今一であるが頂上を目指して進んだ。

   途中下ってくる人は、前の日に泊った人と途中で登頂を断念して下ってくる人だけである。
   鳥海山はガスであると風が強く風景もみれなく条件も悪いので、断念する人が多いようである。

   雪渓もありガスだと見通しが悪いので、鳥海山登山は晴を望んだが思った通りには行かない。
   外輪山と千蛇谷の分岐に来て、外輪山コースは強風でガスの中を歩くのは適切ではないと判断し、千蛇谷
   を選択してそちらに向かう。

   谷を下ると広く長い雪渓に出た。踏み後があるのでそれを頼って歩くが、ガスが強いと千蛇谷も要注意だ。
   夏道に一旦出るが再度谷の雪渓に出る。しかも予想を超える雪渓で、右方面からの落ちた岩が転がり飯豊
   の石転沢を思い出して歩いた。

   晴たらもっと快適なのだろうがと思いながら雪渓の谷を登る。踏み後が薄くなるが何とか判別がつくので、
   しっかり確認しながら登る。

   殆ど人と会わない。谷が二つに分かれる所にはロープがあり、方向は確認が出来るが、これ以上視界が悪
   いと前進方向の判別は難しい。幸いガスも薄く前進行方向の確認は出来た。

   千蛇谷の雪渓歩きを終えて急登が始まる所で一息入れる。この急登が辛かったと思い出しながら一歩一歩
   登り始める。

   イワベンケイがあちこちに咲き、いろんな形をしながら連続して群生している。
   花に励まされながら登り、御室小屋下の要注意の雪渓を横断し、岩状の登山道をひと登りすると御室小屋に
   到着した。

   御室小屋は18年前から増設がされ形が随分変わっていた。10人程のツアーが頂上から降りて来て「昼食!」
   とリーダーが声を掛けていた。時計を見ると丁度12時であった。

   私等は、ガスの岩稜の頂上を見上げ、深呼吸をして気持ちを入れて歩き出した。御室小屋から岩稜の登りで、
   ペンキで印された矢印を頼りに登る。

   風はあるが思った程の強風ではない。しかし、私等の他誰も居ない。お昼だから予報からすれば晴れはず?
   下界は別にして、山頂のガスは晴れそうにも無い。

   しかし、ガスは薄くなり登るには支障なく大きな岩を越えながらペンキを頼って頂上に着く事が出来た。
   頂上は見通しは利かないもののガスも薄くなり、風を避けて狭い頂上であったがそこでお昼とした。

   ガスが薄くなる瞬間を待って頂上周辺の岩稜をカメラに収めた。
   瞬間的に青空も出たが晴れは無理と判断して小屋方面下山の矢印を頼りに迂回して下山する。
   途中残雪で踏み後も無く方向も分からなくなったが、登った方面右に岩を伝い正規の道に出る事が出来た。

   神社裏に出たので神社を参拝して下山を開始する。登って来た時よりもガスが薄くなり、お花畑も周辺の景色
   も見えてきた。

   鳥海山の登山道は、石で敷かれた所が結構長くあり、下山時は膝にそれなりの負担が掛かるので極力負担
   にならないように下山を心がけた。

   標高を下がるとガスも薄くなり、青空は望めなかったが、「鳥の海」も見る事が出来た。
   予想を超える雪渓歩きと花も見ることも出来たので満足の行く鳥海山登山であった。

   これからいろんな花が入れ替わりに咲くであろうが、八丁坂にはチングルマとイチゲに代わってニッコウキスゲ
   の群落が来週は見られるであろう。

   鳥海山を下山し、ビジターセンターを見学しようと駐車場を歩いたら「まことさん!」と私に声を掛ける人が居た。
   ハテ!こんな所で?と振り向くと燕市のヒデさんであった。

   ヒデさんは、友達と私等より一足早く鳥海山に登り、賽の河原を降りずに鳥の海の淵から外輪山コースを歩き
   途中ガスと強風で頂上を断念した話された。外輪山コースは、気象条件により風の強い所のようである。

   私等は、午後5時頃に鳥海山を後にして明日登る岩手山の登山口焼走りへと向かう。
   道は下道より遠回りでも高速道が早いと考え、日曜日の1,000円料金で、午後8時30分焼走りコースの登山口
   の駐車場に到着した。

   車を降りると、外気温は冷たく半袖では寒く車の中で食事を取り、今朝の寝不足もあり10時前に寝袋に入って
   眠りについた。




鳥海山・鉾立登山口 展望台迄コンクリートの階段道
7〜8分で展望台。ここまで観光コース 先はガスで見えません
最初にヨツバシオガマがそしてシャクナゲ、ゴザンタチバナ
マルバシモツケ?、シラネアオイ、ミヤマタチツボスミレ?
石畳の登山道を 雪渓が出てきました
振り返ると青空が、しかし上はガス ガスの雪渓を歩く
賽の河原に 雪渓を下る登山者
賽の河原の石畳登山道 左右熊笹の登山道を歩く
御浜近くになるとチングルマ、イワカガミ、イワイチョウ等々の花が沢山
御浜神社下に 御浜神社上の稜線、以前強いガス
御浜小屋前後にはいろんな花が沢山咲いていました
キンポウゲの群落 咲き始めたニッコウキスゲの群落
コバイケソウの群落 八丁坂はお花畑で前に進みません
ヨツバシオガマ、ボウフウ?、イワベンケイ
七五三掛の坂にある分岐を知らせる表示 ナナカマド
ミネノサクラ、アカバナイチゴと???、
千蛇谷に下りると雪渓が 雪渓を歩く
落ちた岩がゴロゴロしている 一旦夏道に
また、雪渓を歩く ガスがなかったらと思うが・・・
ようやく千蛇谷の登りに 一息ついて少々腹こしらえを
休憩ヶ所から千蛇谷の谷肌を見る 登山道にはイワベンケイとミヤマダイコンソウ?が咲き連なる
       玉状のイワベンケイ            ミヤマダイコンソウ             イワベンケイの造形
急登を終えると岩の道になり3曲りで御室小屋に 12時御室小屋に到着
早速、岩登りで頂上を目指す 頂上付近の岩稜が薄っすらと
矢印を辿り、岩の大きな切れ目 切れ目をくぐって右手にひと登りする
頂上に 頂上はこれだけの広さです。ここでお昼にしました
頂上周辺の岩稜 頂上は周辺岩稜に囲まれています


下山編に続く