毛猛山塊
太郎助山
1,417m


登頂篇

登った山 太郎助山 
  コースの概況
    残雪期を利用して登る薮山は残雪状態によって大きく左右される。
    しかし、残雪の状況はその年の降雪量と雪の降り方や気温や雪解け
    の状態によって様子は大きく左右される。

    昨年5月1日、obake隊長は健脚者7名で日帰りをした毛猛山だが、
    今回も登山口まで事前の下見をして慎重を期しての登山をする。

    いきなりの残雪の急登、稜線に出ると藪状な小さなアップダウンのある
    痩せ尾根歩きは慎重さの必要はもとより、ストックが邪魔になり、ザック
    に付けたピッケルが枝に引っかかり前進を妨げその分体力も消耗する。

    痩せ尾根の多い稜線は当然残雪の付き具合は安定していなく、特に
    足沢山からは残雪やブロックが落ちたり落ちそうになりクレパスになっ
    たりであった。
    
    今年は雪が多くまだこの時期残雪も安定していると思ったが、条件は
    まちまちでこの山には一般論は通用しないようである。
   
    それだけ毛猛山塊、取り分け毛猛山は難しい山だと思った。
    
標 高 1,417.6m
登頂日 2011年5月4日(水)
登山口 新潟県魚沼市
天 気 晴時々曇
登頂者 obk隊長他6名
山の位置 新潟県魚沼市
登頂時間 登り・5:08分
下り・4:24分





                         遠かった毛猛山

   残雪期でなければ行けない山
    新潟100名山で残雪期でなければ行けない山は毛猛山と矢筈岳、それぞれ踏破するに容易でない。
    今回はobake隊長をリーダーにして7名が毛猛山を目指した。
    国道252号線が未開通だが除雪をされているので登山道近くまで歩き前泊することにして出かける。

    5月3日、午後2時30分、252号線沿いの鏡池道の駅で7名が合流、二台に分乗して出発する。
    ゲート前に車を置いて歩くこと約1時間10分、5時頃大雪崩沢2号スノーシェッドに着いた。

    車は通らないのでスノーシェッドの一角にテン泊で楽しい夕食のひと時を過ごし、朝5時出発を目標に
    して休んだ。

   obake隊長がリーダーの7人パーティー
    午前3時半に起床、各自で朝食を作り出発準備を整える。
    リーダーはobake隊長が先頭にて後続はマスダ・かよこ・tamo・いっちゃん・シミズ・まことを最後の順を
    原則にして状況に応じて臨機応変に対応する事を申し合せてパーティーとして行動する事を確認する。

    残雪の状況はどうなっているか行って見なければ分からない、体力的に無理と判断し引き返す場合は、
    リーダーを除き関東組、新潟組3人が小グループとして行動して欲しいと隊長からの要請と指示がある。

   荷物と用具は
    荷物は必要最小限とし、非常食一食を持参、さらにアイゼンとピッケル、靴はカッティングの登りもある
    ので登山靴が望ましいとの隊長から予めの指示であった。

    当然の指示であるが、加えて雨具始め防寒具も必要なので、軽量にも限界があるのは止むを得なく、
    それなりの重さになった。

   硬い雪の状態にて登山開始
    登山開始予定は5時30分、下山は遅くとも4時30分を予定し、登山開始は少々早い5時20分であった。
    登山口から雪は固く急登なので早速アイゼンを着用して歩き始める。

    いきなりの急登を九十九折に登り、さらに急登となる所は避けて雪が消えた左尾根に取り付きアイゼン
    を外して尾根を登る。
    少し平らな所で小休止をして進み、休憩後残雪の急登はカッテングしながら登ると痩せ尾根に出る。

   藪状の痩せ尾根が続く
    痩せ尾根の稜線に出ると左正面に太郎助山の雄姿が姿を表し、左右のピークは「ここが毛猛!」と思わ
    せるピラミダルな稜線とピークを見ることが出来た。

    痩せ尾根の稜線歩きは多少のアップダウンがあり、しかも背の低い雑木を分けての前進で切り立ち崩れ
    たヶ所もあるので要注意!
    おまけにザックに付けたピッケルが時々枝に引っかかり痩尾根の要注意ヶ所に加え前進を阻む。

    藪状の痩せ尾根を過ぎるとようやく残雪となり歩きやすくなり、残雪の急登を登り切るとようやく足沢山だ。
    到着時間は8時10分で隊長が予定した時間をオーバーしている。

   幾つかの難所を超えて
    足沢山で休憩するが、足の遅い私は少々先に出発、所々残雪が切れたり危険ヶ所もありコースの変更
    も余儀なくされるので、間もなく後続が追い付き再びパーティー7人の行動となる。

    太郎助山迄の稜線は、クレパスあり、ブロック雪崩ヶ所あり、藪尾根歩きで変化というより難関を超えての
    前進である。

    頂上が近くなると急登の藪登りには閉口する。
    数年前に登った矢筈岳への藪漕ぎも厳しかったが、こんな薮の急登はなかったと記憶している。
    obake隊長は、「昨年よりも条件が悪いなぁ〜」と、つぶやきながら先を進む。

   やがて太郎助山に到着
    さらに、藪を越え残雪を歩く。
    帰り時間は関東組の事もあり、下山は遅くとも4時30分としているので「毛猛は無理かな」と、話しながら
    進み太郎助山に着いてからの判断をしようと進む。

    悪戦苦闘しなが急登の藪を越え、残雪を踏んでようやく太郎助山には10時28分に到着する。
    ようやく見えた毛猛山迄は最低で1時間30分〜2時間は要すると隊長の見解、下山も痩せ尾根と薮漕ぎで
    時間は掛るので今日は太郎助山迄にしようと全員で決定する。

    にしても時間の余裕があるので、その分、太郎助山にobake茶屋を開設をして1時間半毛猛山塊を眺めな
    がら昼食休憩を取る。

   下山も緊張緩めず
    下山も気を緩めず予定の4時30分を目標に下山開始する。
    下山時も登り同様、要注意ヶ所が何ヶ所もあるので、滑落や遭難は下山時が大半なので一層気を締めて
    慎重に下山を心掛ける。

    登りには気が付かなかった景観を楽しみ、時々毛猛山塊を振り返り、頂上では雲も厚くなり心配したけど
    青空が一面に広がり毛猛山塊の厳しさと美しさが同居する景観を眺めながら太郎助山を後にした。
   
   遠かった毛猛山
    登り途中は、未丈ケ岳から二泊で縦走して来たという二人組、足沢山直下でテント泊の人とは会わないが
    張ったままのテントは二泊のベースキャンプか、下山時に桧岳に登るとして一泊予定で登って来た夫婦に
    も出会ったがいずれも山中泊で毛猛山を目指している。

    考えると一般的には雪の状態にもよるが、山中泊まりが必要なようで、最小限の必要な装備を付けたとし
    ても毛猛山は私の脚力では日帰りは無理のようであり、私にとっては川内山塊の矢筈岳と同じく遠い山で
    あった。




obake隊長提供の画像もあります

 国道252号線ゴールデンウイーク前に開くはずのゲートは今年は開かない。

 ゲート前に車を停めて歩く。

 obake隊長は、重いテントもあり電動自転車で先に走り、戻って私といっちゃんの

 ザックも運んでくれた。感謝!他の人にはスミマセン。

   車は通らないのでスノーシェッドの一角にテン泊で楽しい夕食のひと時を過ごす。
  朝3時半起床。
  朝食をつくり食べて支度をして、最高齢だが、ハーフマラソンを走るシミズさんの
  音頭でラジオ体操で準備体操をして出発する。
 登山口からアイゼンを付けて急登をトラバースしながら登る
 残雪の急登を避け、左尾根の夏道に取り付く
  再び残雪を登り少し平らな所で小休止する。
 さぁ〜、出発しよう!青空に映える芽出しのブナ歩きは気持ちが良いです
  かなりの急登です
  みんな笑顔、元気で張り切っています
  足沢山と左太郎助山ですが、痩せ尾根歩きは景色は二の次です
  イワウチワの花が満開です
  イワナシの花もありました
  痩せ尾根でこんなヶ所も超えます
 雄大な太郎助山です
  痩せ尾根についた残雪の急登です
  一歩一歩キックしながら足元を安定させながら登りました
  雪庇の下を歩きますが一週間10日前だったら雪庇はまだ高かったろうに・・・と
  足沢山下に小さいテントが張れれていました。
  急登の足沢山登りはもうすぐ終わります
  足沢山から少し先で小休止です。
  毛猛山塊の山並み、素晴らしい景観です
  ブロック雪崩ヶ所を間隔を置いて歩きました
  右下は切り立っていますので慎重に歩きます
  稜線は藪ですので残雪を利用して前進です
  残雪の切れた所はこんな藪歩きですが、こんな藪は良い方です
 何回も藪と残雪歩きを繰り返して進みます
 太郎助山の頂上が目の前となりました
  藪漕ぎをして頂上に着きました。
  カメラを雪上に落としてしまい、レンズが曇ってピンボケ状です。
  百字ケ岳と右は桧岳、残念ながら雲が多くなって来ました
 今日はここまでとして風除けの雪穴を堀ってobake茶屋つくりです
  太郎助山頂上の臨時obake茶屋で昼食です
   左から毛猛山、中岳、百字ヶ岳の雄姿です



下山編に続く