足沢山太郎助山百字ヶ岳中岳経由
 1107m 1417,6m  1443m   1288m
毛猛山
1,517m



二日目登頂編


二日目は毛猛山を目指すが、雪の条件がどの程度か?
藪漕ぎをどの程度するかは、その場に行かなければ不明。

毛猛山登頂時刻は午前10時とし、もしその時間に登れないと判断したら
帰り時間もあるのでなべさんにはその時点で予め撤退と了解を頂いていた。

しかし、内心は少しの遅れであれば、登頂決行!

私自身遅れないよう頑張ろうとの努力目標時刻ともしていた。

登山口到着時刻は午後6時と設定済み。

若干の不安を感じながらも
事前情報から80〜90%は毛猛山登頂は可能と判断する。

残る10〜20%はなべさんの脚力・体力は大丈夫だが、
私が予想出来ない薮に絶えて歩けるかのみである。

朝3時30分に目を覚まし、出発の準備をする。

外を見ると、星は何も見えずガスで遠くは見えない。

今日の天気予報は午前曇りとなり、昨日迄は晴れマークが皮肉にも曇りに変る。

しかし、午後には晴れるので予定時刻を16分遅れて4時16分テントを出発する。




4:41、しらじらと周辺が見えてくる



残雪を少し進むと急降下、そして進む方向は雪が切れ左は雪の崖状態。

薄くガスが掛かっているので雪の状態が分からないので安全を期して藪漕ぎとする。

早速だが、相当の薮にて体力の消耗を余儀なくされるが、
まだ歩き始めなので体力温存を心掛けて凡そ20分程進み雪面に出る。



5:10、日の出、毛猛山塊の夜明け。


歩いて来た足沢山を振り返る。
薄っすら見える足沢山、何とか青空に・・・と、願いながら進む・・・




思った以上に長い藪漕ぎをし、急登斜面となる。
3年前、このヵ所は何とか雪を伝って歩けたが今回は無理!


急登を先行するなべさん


急登を登り稜線に出ると左に百字ヶ岳、右に桧岳


太郎助山を目指す


太郎助山山頂はガス


6:40、太郎助山山頂、


目指す百字ヶ岳・中岳・毛猛山はガスの中


10分程休憩をして進む



少し青空が見えて来くる、3年前は藪漕ぎは無かったが、
今回はかなりの距離の藪漕ぎでようやく百字ヶ岳が目前に・・・

この間、小さいクレパスに落ちたり、少しの滑落をしながらも進む・・・

危険が無いとの判断での出来事だが、やはり「急がば廻れ」である。



7:37分、百字ヶ岳山頂、予定時刻を順調に歩く。


中岳迄も藪漕ぎが多いが効率を求め極力雪面を歩く




薮の中岳山頂


薮の中岳ピーク超えも薮が前進を阻み今迄の薮漕ぎで
私のボディブローが効きはじめ、少し足にも力が入らない状態になる。

目の前の毛猛山が雲間から姿を現した。

ここまで来たので「何とかあのピークに立とう」と気力を絞り薮を掻き分け前進する。



毛猛山鞍部手前で休憩を入れる。

水を飲み少し食料を腹に入れ、ここで6本爪のアイゼンを付ける。

合わせてピッケルを持ちザックは最後の藪漕ぎは不要にて置いて登る。

なべさんは、毛猛山の斜面を眺めて「あの斜面かビビル!ね!」
私は、「歩くと見た程の恐怖は無いが、気を付けて登りましょう!」と話す。

そして、なべさんに気合を入れるポーズをお願いし、
私も「よし頑張ろう!」と気合を入れて出発!

9:01分出発!毛猛山山頂着タイムリミットは1時間。



さあ〜最後の登り、今迄の最大の難関、毛猛山の登りです。




残雪を踏んでの毛猛山画像は急斜面にて慎重を期すため(臆病半分)無し。



幸いにも3年前より毛猛山の左斜面は雪が多く藪漕ぎが少ないと
事前のhiroiさんの画像と比べ少しは登頂時間が縮むと判断していた。

よって、1時間あれば最大の大藪も分けて十分登れると考えて進む。

残雪の雪面からいよいよ薮に・・・
なべさん、「やぁ〜!こんな薮入りたくないねぇ−」と思う程の薮である。

薮は私が先に入り、少し入った所で、
私のピッケルを立木に引っ掛け赤紐を延ばし、下山時に薮を出る目印とする。

しかし、3年前の薮はもっと凄かった。

それは、もう少し下から薮入りしたのでブッシュの薮であったが、
その上にて笹が多く3年前より進み易かった。

けど、なべさんは先頭より後が楽なのでと
私の前に出て薮分けをして前に進んでくれた。



薮が低くなりしかも左に雪が残っていたので雪面を歩き頂上を目指す。


9時41分、なべさん待望の毛猛山山頂に立つ!


頂上10時と予想した時間より約20分早い。

山頂で毛猛山登頂の喜びを分かち合い、記念写真。





山頂は風も無く暖かく、少し余裕時間もありゆっくり・・・・

ガスも上がりつつあり、周辺の展望も少し見え始めたが、
何時までも山頂にとどまる訳にも行かない・・・


下山編に続 く